乳がん検診

現在、日本人女性の11人に一人は乳がんに罹ると言われています。がんと聞くと大変怖い病気と思われますが、乳がんは早期に発見すると完全に治る可能性が非常に高いがんです。したがって、無症状のうちに乳がん検診により乳がんを発見することはご自身をまもるために非常に重要なことです。

日本では40歳以上の女性に対して2年に1回のマンモグラフィを含む乳がん検診が推奨されています。マンモグラフィは唯一、乳がん検診に用いることで、乳がんによる死亡率を減少させることが証明された検査法です。このため、国ではマンモグラフィを使った乳がん検診を推奨しています。しかしながら、最近ではマンモグラフィ検診では効果が不十分な場合があることもわかってきました。そのひとつに高濃度乳房があります。

乳房の構成の図

高濃度乳房とは、乳房内の乳腺が豊富で、乳腺の中が見えにくい乳房のことです。高濃度乳房はその人がもつ体質であり、病気ではありませんが、マンモグラフィ検診では乳がんが発見されにくいことが問題となっています。このような高濃度乳房の方には、超音波検査やトモシンセシス検査を併用することで、乳がんの発見に役立つ場合があります。さらに最近では、機械が自動で操作を行う自動全乳房超音波検査システムも開発され、検査する人の経験や能力に左右されにくい超音波検査が注目されています。
また、乳がんを発症した人の5~10%は,遺伝的に乳がんを発症しやすい体質をもっていることが分かってきました。遺伝的に乳がんを発症しやすい方は通常の方と比較して若い年齢から乳がんに罹ることが知られています。しかしながら、若い女性では乳腺の濃度が高い高濃度乳房の方が多いため、マンモグラフィでの乳がんの発見が難しいことが多く、このような遺伝的に乳がんを発症しやすい方には造影MRIを使った乳がん検診が推奨されています(日本乳癌学会の乳癌診療ガイドライン2018)。

当院の乳がん検診の特徴
乳房画像診断装置が豊富

高濃度乳房や遺伝性乳がんに対応できるよう様々な装置を導入しています。

乳房画像診断を専門とする医師による診断

現在、当院では乳房画像診断を専門とする医師による診断を行っています。

長崎大学病院の遺伝カウンセリング室と連携し、遺伝的に乳がんを発症しやすい方に対する
MRIによる乳がん検診を実施しています。
検査結果が迅速にでます

マンモグラフィと超音波検査は原則、当日に結果をお知らせすることができます。仮に精密検査が必要になった場合にもすぐに検査予約を取ることができますので、最終診断の結果がでるまでの日数も短くなります。
このように当院では乳がん検診に関して特に力を注いでいます。乳がん検診をお考えの方は、当院健康管理室にお問い合わせください。

マンモグラフィ(女性技師が担当)

マンモグラフィは乳房専用のレントゲン検査です。透明の圧迫板で乳房をはさみ、薄く伸ばして撮影します。

トモシンセシス(女性技師が担当)

トモシンセシスはマンモグラフィの3次元撮影法です。マンモグラフィは通常の写真のように1枚の2次元の画像で、乳腺が重なった状態を見ることになりますが、トモシンセシスでは乳房の3次元的な画像情報が得られるため、乳房内の多数の断面を画像として見ることができます。このため、乳腺の重なりが少なくなり、高濃度乳房に対して有効と言われています。

乳房超音波検査

超音波検査は一般の乳がん診療で行われています。また、マンモグラフィと異なり、検査に伴う痛みもほとんどないことから乳がん検診への導入が期待されていますが、マンモグラフィで発見されるような石灰化を伴う早期の乳がんは難しく、超音波検査単独での乳がん検診の有効性は証明されていません。一方、マンモグラフィに超音波検査を追加することが乳がんの早期発見に寄与することはほぼ確実なので、検査を希望される方に対しては個人の判断で行うことは容認されます。

自動全乳房超音波検査システム(女性技師が担当)

当院では自動全乳エコー検査システムによる乳がん検診を行っております。
自動全乳房超音波検査システムは人が手動で行う通常の超音波検査と異なり、機械的に全乳房の画像データを取得する装置です。手動による超音波検査と異なり、検査者の技術に左右されることがありません。また。がん検診の診断で重要なダブルチェックが可能なことから診断精度の向上が期待されています。

造影MRIによる乳がん検診

MRIは磁気を利用した検査法で、造影剤を使用した乳房のMRI検査は乳がんの検出能が最も高い検査法と言われています。
遺伝的に乳がんに罹りやすい方に対しては、マンモグラフィに造影MRIを併用した乳がん検診が推奨されています。
当院ではこのような遺伝性乳がんがご心配な方に対して、長崎大学病院の遺伝カウンセリング室と連携して、造影MRIによる乳がん検診を実施しています。

ご家族の中にBRCAの遺伝子変異が確認された方がいる

若い年齢(目安は45歳以下)で乳がんを発症した方がいる

年齢を問わず卵巣がん(卵管がん・腹膜がん含む)の方がいる

トリプルネガティブの乳がんといわれた方がいる

乳がんを2個以上あるいは2回以上発症された方がいる

家系内に乳がんを発症された方が複数いる

男性で乳がんを発症された方がいる

乳がん検診全国集計認定施設証
  • *クリックすると拡大表示します。
  • 日本乳癌検診学会および日本乳がん検診精度管理中央機構では、全国における乳がん検診の実態を把握することにより、その精度と有効性のさらなる向上に貢献することを目的として、「乳がん検診の全国集計」を行っています。この調査は、実施対象別(施設・職域など)、検診の方法別に受診者数・要精検者数・精検受診者数・乳癌発見数などを調査し、その回答をもとに検診の各指標(要精検率・がん発見率・陽性反応適中度など)を検診方法別(年齢階級と受診歴で層別)に集計し、その結果を日本乳癌検診学会学術総会および日本乳癌検診学会誌に公表しています。

    当院は、この学会全国集計事業に積極的に協力し、精度管理向上に努めている施設として、「乳がん検診全国集計登録認証施設証」の認定を受けました。また、その精度についても全国平均より高い精度を保っています。

2017年度 要精検率 精検受診率 精検未受診率 未把握率 癌発見率 陽性反応
適中度
全国平均 5.4%84.7%3.6%11.7%0.2%4.5%
当院 4.6%100.0%0.0%0.0%0.6%12.5%
※ 「2021年4月日本乳癌検診学会解析」
項目に関する解説 全国集計2020の登録認証施設一覧
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